2.虚血性脳卒中

 虚血性脳卒中は脳梗塞症と呼びますが、原因別に脳血栓症と脳塞栓症に分けることができます。脳塞栓症では、一旦閉塞した血管内の血液の塊が融けて血管が再開通することがあり、その時に弱くなった梗塞領域の血管から出血する場合があります。この状態は脳出血ではなく、脳梗塞が原因となった出血性変化とみなして出血性梗塞と呼び、脳梗塞に含めます。

1)脳血栓症
 脳血管内で血液が固まり血栓を作り、その場所で血流が遮断されることが直接原因となり脳梗塞を起こした状態を脳血栓症と呼びます。脳の動脈硬化が進むと脳血栓症を起こしやすくなります。動脈硬化は、年齢が高齢になるほど進行しますが、高血圧は脳動脈硬化を促進します。脳血栓症の中にはラクナ梗塞と呼ばれる小さな脳梗塞があります。これは高血圧性脳出血と同じ部位に好発します。原因も脳出血と同じで、小さな動脈瘤の内部が血栓で埋まり動脈も詰めてしまった結果、脳梗塞ができたものと考えられています。(図8)

【 図8 】

2)脳塞栓症
 心臓内や脳血管以外の血管あるいは脳内の血管にできた血栓がはがれて、移動して脳血管を詰めて起きる脳梗塞を脳塞栓症と呼びます。はがれた血栓を栓子と呼びますが、代表的なものは心房細動(不整脈の一種)によって心臓内でできた血栓が栓子の原因となります。その他に動脈硬化によって変化した血管壁にできた血栓がはがれて栓子となることも知られています。

脳卒中を起こす病気と原因



知れば防げる脳卒中

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