タバコの害については、癌になりやすい、心筋梗塞になりやすいなどの健康を害する問題と火災の原因になるなどの危険、さらに喫煙が周囲の人達を不快にさせるなどの問題があります。

タバコは全身のあらゆる癌を起こしやすくします。全身の癌に関しては国立がんセンターのホームページを見てみましょう。日本人の癌死因の第1位が肺がんです。肺がんはと りわけタバコとの関係が強い癌であることはよく知られています。

国立がんセンターのホームページの肺がんの中の (5)肺がんの原因と予防の部分では 「肺がんの原因はいまだ明らかではありません。それ故、確実な予防法もありません。 しかし、喫煙が大きな要因(危険因子)としてあげられます。特に小細胞がん、扁平上 皮がんは喫煙との因果関係が深いと言われています。

タバコを多く吸う人ほど肺癌に かかりやすくなり、一般に重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人) は肺がんの高危険群(リスクの高い人)と言われています。

毎日喫煙する人は非喫煙者 に比べ約4.5倍肺がんのリスクが高くなり、また、喫煙の開始年齢が若いほどリスクが 高くなり、20歳以下に喫煙を開始すると非喫煙者に比べリスクは6倍近くなります。199 0年の集計では日本の男性の喫煙率は60.5%と先進諸国の中ではトップです。喫煙は喫煙 者本人だけでなく周りの人にも影響を及ぼすと言われています(受動喫煙)。10%〜20 %の肺がんは喫煙と関係ないと言われています。大気汚染や他の環境要因、放射性物質 、アスベストなどとの関連も指摘されています。現在、発がんを抑制する遺伝子および 薬物・食物の研究が行われていますが、一般に利用されるほどの成果はまだみられてお りません」と述べられています。

このことは、癌には良い治療法がない事とともに、タバコに関係する癌が肺がんの80 %−90%であることを示しています。有効な治療法がない以上、現在のところ真犯人 に近いタバコを身の回りから遠ざける以外有効な方法はありません。 たばこが癌と関係する事は疑いのない事実ですが、多く吸うほど癌になりやすいという 事も上の文章からわかります。若い頃には癌になる事は稀です。それでは少しぐらいな ら吸ってもかまわないと考える人がいるかもしれません。

でもタバコの害は自分が癌になるだけではないのです。自分の癌よりもっと深刻な問題はたば この身近な害の事です。「喫煙は喫煙者本人だけでなく周りの人にも影響を及ぼす」 とも書かれていました。自分の健康は自分の価値観のなかで決定するにしても、そ の行為がわずかでも他人の健康を害するのであれば許される事ではありません。喫煙を したい人は、周囲の人に対して「あなたの健康を害する可能性があるかもしれないが喫煙をしてよいか」の許可を求める必要があります。病気ばかりではなく、タバコの煙を不快に感じたり、髪の毛や服にタバコの臭いが付くのを嫌う人は大勢いるのです。喫煙 に関して同意を求める事はモラルの問題としてもとらえることができます。

お互いの関係を良くする秘訣はたった1つ、「相手を思いやる事」が大切なのです。



※このページに掲載されている内容は、「国立がんセンター」が発表したデータをもとに再構成したものです。




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